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2016年

APAアワード2017応募に向けて

受賞者対談 高井哲朗×舞山秀一×吉村×川本 康
とにかく応募しなければ、何も始まらない!!
「APAアワード2017」


いよいよ9月1日より応募受付が始まる『APAアワード2017』。
来年はAPAアワード展覧会が3年ぶりに東京都写真美術館で開催されることもあり、会員の間でも応募の機運が高まっているのではないでしょうか。
そこで、次回の写真作品部門審査委員長の高井哲朗副会長、同審査委員の舞山秀一正会員、APAアワード2015広告作品部門で経済産業大臣賞を受賞した吉村正会員、広告作品部門審査委員の川本康氏(コマーシャル・フォト統括編集長)の4人の方に、APAアワード2017への期待を語っていただきました。
司会進行は善本喜一郎専務理事。



対談風景

 

――今日ご出席の正会員の皆さんはそれぞれ過去に受賞経験があって、そこから仕事にも結び付いていったと思うのですが、まずはその経験談からお聞かせください。
高井 俺は84年に初めて広告作品部門のAPA賞を受賞して、そうしたら「年鑑を見ました」という電話がたくさんかかってきて、どんどん仕事が広がっていきました。APA賞を獲ったら一人前として認められる時代だったからという側面はあるけど、今でも基本的には変わらないと思う。
その後も何度か賞をもらったんだけど、今でも毎年のように両方の部門に応募しています。理由は単純で、写真が好きだから。特に写真作品部門は、今年はこんなことをやってみようという新しいチャレンジのきっかけになるし、それが結果的に広告の仕事に結びついているような気はします。
舞山 僕は88年の写真作品部門に初めて応募して、そのとき奨励賞をいただきました。それから「一緒に仕事をしませんか」という電話が何件もかかってきたし、「受賞作を広告に使わせて欲しい」という話もあって、同じテーマで撮った他の作品を持って行ったら、それが本当にそのままポスターになったりした。
高井  それは理想的だ。よっぽど作品の力が強烈だったんだ。
吉村 僕は2006年と2008年に奨励賞をいただきましたが、そのときは舞山さんのような話はなくて、ただプロフィールが1行増えたくらい(笑)。でも2年前の経済産業大臣賞の時は、ちゃんと賞の効果はありましたよ。特に若いADの人から「やってみたい」と声がかかるようになりましたね。
川本 たしかに今の時代は、広告の作り方が複雑になったり保守的になっているので、昔のように写真作品部門の受賞が仕事に結びつくようなことは起きにくいかもしれませんね。
舞山 でも、高井さんが毎年のように写真作品部門に応募していらっしゃるのを見ていたら、やっぱり自分も応募しようかなとは思いますよ。作品だけは20代の頃からずっと撮り続けているので。

――舞山さんや吉村さんが最近、写真作品部門に応募されないのは何か理由があるんですか?
舞山 写真作品部門には毎年テーマがあるじゃないですか。自分が撮っているものが、そのテーマにそぐわないと思うことはよくあります。いま世界中で写真のアワードがたくさんありますが、その中でテーマを掲げているところがどれくらいあるか。APAアワードはテーマがあることそのものが、応募の足かせになっているんじゃないかな。
吉村 まさしく。僕も最初はずっと応募していたんですが、途中で出さなくなったから。テーマを設けるとどうしても枠は狭くなる。
舞山  苦肉の策でテーマにこじつけたタイトルをつけて応募しても、審査では「これはテーマと違う」ということで落とされたり。写真の善し悪しではなく、テーマで線引きされるんじゃないかと、応募する側は思ってしまう。
川本 でも最近の写真作品部門を見ていると、与えられたテーマとは逆張りの作品が上位に来ていて、テーマ至上主義の審査にはなっていないと思います。

――テーマについては今後の課題として検討させていただくことにして、とりあえず今回はテーマがあるので、それを前提にしていただければと思います(笑)。
高井 今年のテーマは「美・HAPPY」。美しい写真でハッピーな気持ちになれるというもので、一時期に比べると応募しやすいテーマだと思うよ。
川本 広告作品部門も何年か前から審査料が無料になっているので、どんどん応募していただきたいですね。さっきの吉村さんの話のように、広告作品部門で賞を獲ったら反響は必ずありますから。
高井 写真作品部門の方は言ってみれば、やったことがない仕事を獲得するためのチャレンジ。今はみんな挑戦しなさすぎると思う。仕事だけコツコツやっていて、それとは別に作品を撮って自分の範囲を広げようというチャレンジ精神がないよね。
舞山 今年は写真作品部門の審査委員をやらせていただくので、会員の作品をもっとたくさん見てみたい。さきほど僕個人の意見として写真作品部門のテーマについて苦言を呈しましたが、でもテーマがあることで、会員が作品を作りやすくなるのは事実。これをきっかけとして自分の作品を作ってほしい。写真の仕事というのは本来、しのぎを削り合う競争の場じゃないですか。アワードでも何でも、もっと競い合うべきですよ。
高井 でも頑張って応募しても、落ちるのは嫌だよね。俺は何回も落ちているから。審査に立ち会っている目の前で落とされる、これほど屈辱的なことはない(笑)。
川本 でも、高井さんはそれも含めて楽しんでいませんか?
高井 だって写真を撮るのが好きだから。見てよこれ、って。
川本 落ちたとしても「審査委員は見る目がないな」と思えばいいんですよ。いや実際、僕の目なんか節穴です。何年か前、写真作品部門で入賞した人から作品を見てほしいと言われて拝見したんですが、そのときかなり辛辣なことを言った覚えがあります。そうしたら翌年その人が広告作品部門で入賞して、僕もこの写真はいいなと思って名前を見たら、何とその人だった。自分はなんて見る目がないんだと思って反省しましたね。
舞山 それが逆に良かったんじゃないですか。他の写真のアワードでも、若くしてグランプリを獲ったりすると伸び悩むことが多いんです。後から振り返ると、2位、3位のほうがいい仕事をしている。たぶん実力以上に持ち上げられることで自分を見失うんだと思う。その人はきっと川本さんに酷評されたことで、その落とし穴に嵌ることなく、悔しさをバネに頑張ったんですよ。
吉村 若い頃にいただいた奨励賞は、仕事にはつながらなかったけど、自信になったしステップアップになったと思います。それが自分のベースにあったので、写真作品には出さなくなったけど、広告作品部門に狙いを定めて、幸いにも2年前に大きな賞をいただくことができました。広告作品部門で受賞すると自分の名前が世の中に出るし、仕事も広がる。APAアワードにはやはりそれだけの価値があります。写真作品でも広告作品でも、より多くの会員の方に参加してほしいと思います。

――とにかく応募しなければ、何も始まらないということですね。APA全体でこれからAPAアワード2017を盛り上げていきたいと思います。本日はありがとうございました。



APA News 瞬 2016 September No.157 容量4.9MB





APA AWARD 2017 写真作品部門

利己的であるぐらいの強烈な個性(主観)で写真を表現してほしい

福島 晃(デジタルカメラマガジン 編集長/APAアワード2017 写真作品部門 審査委員)
1968年、東京都生まれ。東海大学航空宇宙学科卒業後、ソフトバンクに入社。月刊PC、Hello! PC、PC USERなどのパソコン雑誌の編集に携わり、2002年にカメラ雑誌「デジタルフォト」を創刊、編集長となる。その後、フリーの編集者を経て、2013年にインプレスに入社、「デジタルカメラマガジン」の編集長となる。趣味は写真と車とアニメ。

福島 晃


  極論であるという批判に怯えずに言えば、写真は否が応なく主観的な産物である。個人の主観を限りなく消し去ることで、客観的な意味を持たせることができたとしても、それは客観という言葉を借りた主観でしかない。
  カメラで写真を撮るという行為は基本的に撮影者が存在する。どのカメラを選び、どのレンズを選び、どこの場所で、何を見ているのか。さらに技術的な要素を加えれば、絞りやシャッター速度、感度、ホワイトバランスとさまざまな要素を撮影者が決めなければならない。そうした連続性のあるセレクトの積層が1枚の写真として結実する。
  20世紀を代表する写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンは「絵画は瞑想で写真は射撃だ」という言葉を残している。絵画はスケッチこそ現場で行うこともあるが、基本的には瞑想の中で表現を加えていくことができる。対して写真は現実世界の瞬間を記録していく行為だ。過ぎ去っていく時間を1枚に写真に閉じ込めていくため「シューティング」という言葉を彼は選んだに違いない。写真史を代表する名作「決定的瞬間」はそうした彼の言葉を代弁したものなのだろう(フランス語の原題は「Image à la sauvette」だから直訳すると本来は「消え去る映像」という意味であるが)。写真を単なる記録性ではなく、黄金分割や幾何学的構図に代表される歴史絵画の手法を写真に取り入れた。本書には126枚の写真と本人がステートメントとして構図論が添えられている。
  広告業界において写真家が華々しく活躍していた時代があった。ブレッソンがそうだったように、写真の記録性ではなく、写真の表現力に広告写真家が挑戦してきた歴史である。その中にあって、APAは重要な鍵を握っていた。むしろ、その中心にあったと言っても過言ではない。拙い私がいまさら文字を記すまでもなく、APA AWARDの歴代受賞者の名を見れば一目瞭然である。篠山紀信、岩宮武二、操上和美、浅井慎平、坂田栄一郎、十文字美信と写真家を志すものであれば、誰もが知る名がずらりと並ぶ。公募作品がAPA賞を受賞すれば、次の日から仕事を依頼する電話がひっきりなしにかかってくるという。M-1グランプリの受賞者がテレビに引っ張り凧になるような感覚だったに違いない。
  その歴史あるAPA AWARD 2017 写真作品部門の審査委員として、私も末席に加えさせていただくことになった。今年の募集テーマは「美・HAPPY」。広告写真はクライアントが求める商品価値やテーマを写真として、どのようにフォトグラフィックとして表現するのかと常に向き合っていく仕事だ。いわば、そのテーマが「美・HAPPY」という訳である。だが、誰かのための表現である必要はない。   冒頭で述べたように写真とは限りなく主観による産物であると私は考えている。そのテーマをある意味、利己的であるぐらいの強烈な個性(主観)で写真を表現してほしい。その強烈とも思える絶対的な個性こそが写真家として、もっとも重要なファクターであると思うのだ。私はその写真に込められた熱量を審査委員として感じ取ってみたい。



APA News 瞬 2016 September No.157 容量4.9MB





 
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